金銭的な価値があるものは、基本的にすべて相続税がかかってきますが、例外的に相続税法や措置法で、「非課税」と定められているものがあります。

法で定められている非課税財産のうち代表的なものとして、以下の4つをご紹介します。

1.墓地や墓石、仏壇などの祭祀(さいし)財産
2.国や地方公共団体などに寄付したもの
3.死亡保険金の非課税枠
4.死亡退職金の非課税枠

1.墓地や墓石、仏壇などの祭祀財産

墓地や墓石相続税がかかりません。
あと、庭内神し、神棚、仏壇、位牌、仏像、仏具などで日常礼拝の対象としているものについても非課税とされています。
これらのものを礼拝の対象ではなく、商品や骨とう品として とか、投資の対象として持っておられた場合は、
非課税にはなりません。

仏壇のイラスト

これらの非課税財産は、相続税の節税に使えます。

相続発生後に、被相続人が残した預金を使って、墓地、墓石を200万円で購入したとすると、
その200万円の預金は当然 相続財産として相続税の対象になります。

生前に200万円で墓地、墓石を購入したとすると、預金は200万円減って、墓地、墓石は非課税というわけで、相続財産が200万円減りますよね。
その分、相続税の節税になります。
お墓のイラスト

墓地、墓石をいずれにしても買う必要がある方の場合は、生前に買って、相続税を減らした方がお得ですよね。

かといって相続税を減らすため、無理に高価な仏像や仏具を買うのはお勧めできません。
相続税を減らすために高価な金の仏像を買ったとしても、税務当局に、「日常礼拝の対象ではない」「換金性があり、投資対象のものだ」と判断されれば非課税とはならず、通常の相続財産として課税されることになります。

2.国や地方公共団体などに寄付したもの

相続や遺贈によりもらった財産を相続税の申告期限までに、
国、地方公共団体や、公益を目的とする事業を行う特定の法人に寄付した場合には、
その財産については相続税がかからないことになっています。

特定の法人というのは、社会福祉法人日本赤十字社ユニセフなどが該当します。

申告期限までに寄付をして 寄付を受けた法人等が発行した一定の書類を添付した相続税申告書を提出する必要があることと、
相続や遺贈によりもらった財産そのものの寄付が対象である ということに注意が必要です。
注意

例えば相続した土地を売却して換金し、そのお金を社会福祉法人に寄付した場合は、相続財産そのものの寄付とはいえませんので、非課税にはなりません。
その土地は、通常の相続財産として相続税がかかる ということになります。

3.死亡保険金の非課税枠

被相続人の死亡による生命保険金で、被相続人が保険料を負担していたものを
受取人である相続人等が取得した場合、
みなし相続財産として、相続税の対象になります。

被相続人が所有していた財産ではないけれども、相続財産とみなして税金の計算をする ということです。

みなし相続財産としての生命保険金には、一定の非課税枠があります。
「500万円×法定相続人の数」の金額までは、非課税とされています。
法定相続人が2人の場合、500万円×2人=1000万円までの保険金は非課税となり、1000万円をこえる部分が課税対象になります。

この非課税枠を使えるのは相続人だけですので、相続人ではない孫が受取人だった場合は、その孫については非課税枠が使えません。

相続における生命保険金の取り扱いについては、こちらの記事で もう少し詳しく書いておりますので、参考にして頂ければと思います。

4.死亡退職金の非課税枠

上述の生命保険金については、非課税の取り扱いがあることをご存じの方も多いと思いますが、
あまり知られていないのが、「死亡退職金の非課税」です。
生命保険金の場合と全く同じ「500万円×法定相続人の数」の金額までが、非課税とされています。

在職中に亡くなって、相続後に遺族に支給される死亡退職金というのは、民法上の遺産ではなく、遺産分割の対象には含まれません。

被相続人から受け継ぐ本来の相続財産ではなく、企業等の支払者から遺族が直接受給するもので、受給者の固有財産になるからです。

本来の相続財産ではなく、上述の生命保険金の場合と同様、相続財産とみなされて相続税の課税対象になっています。

そしてその全額が課税対象となるのではなく、相続人には「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。

法定相続人が2人の場合、500万円×2人=1000万円までの退職金は非課税となり、1000万円をこえる部分が課税対象になります。

この非課税枠があるのは、みなし相続財産としての死亡退職金です。
本来の相続財に該当する場合は、非課税枠はありませんので注意してください。

例えば、退職金をもらったばかりのときに亡くなった という場合は、既に退職金を受給しているわけです。
みなし相続財産ではなく、現金預金という本来の相続財産ですから、非課税枠はありません。

生前に退職して支給額も決まっていたけれど、その後すぐに亡くなって、実際の支給日が相続発生後だった という場合も、未収退職金という本来の相続財産となり、非課税枠はありません。

5.追記

※当ブログの記事は、投稿日現在の法律に基づいて書いております。
わかりやすくするため詳細を省いていたり、改正や個別的なケースには対応していない場合もありますので、
ご注意ください。